
打撃のスペシャリストである筆者が打撃技術を分析していく連載コラム。今回は10月2日に韓国・ソウル オリンピック第1体育館で行われた『K-1 WORLD GP 2010 IN SEOUL FINAL16』にて、フレディ・ケマイヨを1R2分14秒でKOに葬ったグーカン・サキの打撃技術について論じる。12月11日に有明コロシアムで行われる決勝トーナメントは、このポイントに注目しよう!
■前足内股への左ローが効果的な理由
10月2日に行われた『K-1 WORLD GP 2010 IN SEOUL FINAL16』。その中でも突出したハイレベルな技術を披露したグーカン・サキ。このサキは現在のヘビー級において屈指のテクニシャンといっても過言ではないだろう。
左右の構えを用いて闘うサキのスタイルはいわゆるスイッチスタイル(野球でいうスイッチヒッター)。序盤はサウスポーで構えることが多く、ここから交差法(左の蹴りと右のパンチ主体に)相手を崩していく。
体が小さなサキは相手に前に出られて圧力を掛けられると非常に厳しい展開が続くゆえ、初めに相手が前足にウェイトを掛けられないように前足内股への左ローで崩していく。
ヘビー級ではスネでローキックをカットできる選手が少ないことを熟知しているのだろう。カットされることを恐れず思い切ってサウスポー構えから右足にウェイトを乗せ換えて蹴りこんでいく。この右足へのシフトウェイトが実に巧みで、流れが止まることなくシフトしていく。
このシフトウェイトがスムーズであるほど左の蹴り足にウェイト(力)を乗せこむことが出来るので 自身の体格以上の強いローを自然と生み出し、なおかつ角度・入りから相手の返しのパンチをもらいづらい位置をも作り出してくれるのである。
なぜサキは上手くシフトウェイトが出来るのか? その理由を分析したところ……蹴り足の左足にまったく力みと硬さがないゆえに完璧に近いシフトウェイトを実現できるのであろう。
普通は試合となると力みが取れない選手が多々いるものだし、体の力のあるヘビー級ではなおさら……非常に難しい技術ゆえに、軽量級の選手でもなかなか出来るものではないのだが、それをヘビー級の、しかもキックボクシングがあまり普及されていないトルコの選手がいとも簡単にやってるのけるのだから恐ろしい。
いかにタフな左足を持ち合わせていても、シフトウェイトの効いた左ローを合わしてこられたらどんな選手でも前足にウェイトを乗せられなくなってしまう(=パンチを踏み込んで打てなくなる)。
ここから吉鷹弘が左ローに続く攻撃と魔裟斗との意外な共通点を分析・解説!
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