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 2011.6.1  「振り返れば、やっぱり格闘技」 第97回 by熊久保英幸
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「極真空手、思い出を挙げればキリがない」の第62回。今回も極真OBたちを取材していく中で聞いた、猛者たちの破天荒エピソードを思いつくままに書いていきたい。

 1989年、ボクがゴング格闘技編集部に入った時、毎月の校了(雑誌製作に関する編集部の全ての作業が終了すること)はだいたい深夜〜朝方にかけてだった。それが終わるとみんなで巣鴨の青果市場近くにあった食堂へタクシーで行き、打ち上げをするのが恒例だった。

 その食堂とはキックボクサー大沢昇こと、極真の歴史にその名を残す藤平昭雄が経営する「大沢食堂」だった(現在は巣鴨から千石へ移転)。当時、大沢昇の名前は知っていたので、もの凄く怖い人だというイメージがあり、ビールをもらう(ボク以外は常連なのでセルフサービスだった)のにもビクビクしていたものだ。

 しかし、毎月行っている内に持ち前の図々しさで大沢さん(ここからはあえて“さん”付けで)とすっかり親しくなり、「会長! ビールもらいますよ〜!」と慣れた調子で勝手に冷蔵庫からビールを出したり、ぎょうざを大盛りにしてもらえたりした。

 大沢食堂と言えば極辛カレーが名物で、その辛さたるや相当なものらしい。〜らしいというのは、ボクは1度中辛カレーにチャレンジして、それ以上に辛いカレーを食べられる自信がなかったから食べたことがないのだ。

 こんな伝説がある。朝まで営業していたのでタクシーの運転手もよく立ち寄るのだが、初めて来た運転手が極辛カレーを注文したのだという。大沢さんは「ウチのカレーは辛いから中辛にしておいた方がいいよ」と言ったのだが、その運転手は辛いものに自信があったらしく、断固として極辛がいいと言い張ったそうだ。そして出てきた極辛カレーを一口食べてビックリ。「こんな辛いもの食べられるか!」と怒り出した。いわゆる逆ギレだ。すると大沢さんは「食べられますよ」とそのカレーを表情ひとつ変えずにパクパクと食べ、運転手はあっけにとられていたという。

 そんな大沢さんだが、極真史上に残る“稽古の虫”として知られる人物だ。大山倍達総裁が「極真の歴史上……

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