
「極真空手、思い出を挙げればキリがない」の第49回。今回もボクが実際に見た試合の中から、これは秀逸だったというテクニックにまつわる話をしていきたい。極真と言えば“根性”とか“精神力”とかで語られることが多いのだが、何と言ってもテクニックが素晴らしいのだよ。
前回はステップ(フットワーク)を使う日本人選手のことを書いたが、ステップと言えば何と言っても衝撃的だったのはギャリー・オニールだ。ギャリーステップと名付けられた技術は、極真の歴史を大きく変えたと言っても過言ではない。なにしろ、それまで下がることは判定での減点対象になっていたのに、「戦略的な後退は減点対象にならない」とルールを変えてしまったのだから。
さらに、かけ逃げが禁止になったのもギャリーがきっかけだった。ギャリーは相手の選手が攻勢に出ると胴廻し回転蹴りを放って転倒していたのである。こうなれば当然、相手選手の攻勢は止まってしまい、試合場中央に戻っての試合再開となってしまう。せっかくステップを使うギャリーを追い詰めたのに、全てリセットされてしまうのである。これが問題となり、かけ逃げが反則となった。
このようにギャリーは2つもルールを改正してしまったのだから、まさに極真の歴史を変えた男だったのだ。
ギャリーが凄いと思ったエピソードがさらにある。彼は世界大会を前にして来日し…