
「極真空手、思い出を挙げればキリがない」の第36回目。今回も、ボクがこの目で見た中で誰が何と言おうと極真空手史上最高・最強の空手家と信じて疑わない数見肇についての思い出を振り返ってみたい。
初めて取材した時から、数見は「目標は世界チャンピオンになること」を挙げていた。当たり前だ。極真空手の選手ならば、誰もが世界大会で優勝することを究極の目標としているだろう。数見には聞かなかったが、八巻には“なぜそんなに世界大会で優勝したいんですか?”と聞いたことがある。非常にシンプルな質問をわざとしてみたのだが、その時の八巻の答えは今でもハッキリと覚えているくらい印象的だった。
八巻はパッと顔を輝かせて「世界大会で優勝するってことは世界チャンピオンになるってことですよね。世界チャンピオンって、世界一強い男っていうことなんですよ」と答えたのだ。質問もシンプルなら、答えも非常にシンプル。しかし、この答えはほとんどの男子が人生で一度は憧れることだと思う。世界一強い男になるんだ、という気持ちを諦めずに持っていることが凄く素晴らしいことだと思った。
いま思えば、数見にも同じ質問をしとくべきだった。彼は何と答えただろうか。八巻とはまた違う答えを言ってくれだんじゃないかと思う。
1995年11月に開催された『第6回全世界空手道選手権大会』。この年に極真会館の分裂騒ぎがあり、非常に残念な結果になってしまったが……