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 2009.12.16  「振り返れば、やっぱり格闘技」 第62回 by熊久保英幸



「極真空手、思い出を挙げればキリがない」の第27回目。今回もボクにとって初の世界大会取材となった1991年11月に開催された『第5回全世界大会』に関するエピソードの数々を綴る。

 アンディ・フグよりも調子が良さそうに見えたマイケル・トンプソンは、4回戦で阿部清文と対戦。これがまた凄い試合で……気迫満点の阿部は場外へ押し出したトンプソンに、主審が止めに入るまで突きを連打。場外だから攻撃をやめると思ったらしいトンプソンは無防備にこの攻撃をもらい、かなりムッとした表情を見せた。延長3回を戦って、判定か体重判定かは忘れたが、敗れたトンプソンは両手を腰に当ててガックリとうなだれていた。

 これにより、ダントツの優勝候補だったはずのアンディとトンプソンはトーナメントから姿を消した。しかし、ここが極真の層の厚いところで、名前も知らなかった外国人選手が次々と日本人を破っていったのである。

 川本英児を破ったラウル・ストリッカーは上段ヒザ蹴りが凄かった。デビット・ピクソールは後にデビット・ピクトホールの名で士道館の全日本大会や世界大会に出場、圧倒的な強さで優勝して実力を証明した。8位に入賞したジョニー・クレインは巨体とパワーで他の外国人選手を破っていった。

 特に印象に残っているのは南アフリカのヘンリー・ボスマンという選手。身長が2メートルくらいある大型選手で、強力な下突きを持っていた。日本代表の石井豊と対戦し、この下突きで圧倒したのだが、なぜか旗が挙がらず引き分けが続く。場内には大ブーイングとボスマンコールが鳴り響き、まさに日本VS世界の世界大会らしい異様な雰囲気に場内は包まれた。

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