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 2012.02.01  「振り返れば、やっぱり格闘技」 第113回 by熊久保英幸
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「ムエタイの魅力、語りまくります」の第13回。日本にキックボクシングが誕生して以来、数多くのムエタイ戦士が来日してきたが、その中でおそらく日本で最も愛されたムエタイ戦士チャンプア・ゲッソンリットのお話。

“超象”のニックネームで親しまれたチャンプアは、初期のK-1で大活躍。欧米のヘビー級ファイターと比べたらかなり小さい体格ながら、常にアツい試合を繰り広げて人気を博した。初期K-1になくてはならなかった選手で、チャンプアのトレードマークである象のイラスト(チャンプアとはタイ語で“白い象”の意味)が描かれたトランクスは人気格闘技グッズのひとつだった。

 左の攻撃以外はほとんど使わなかったが、その分、左ミドルキックが強烈だった。チャンプアの左ミドルが快音を発して決まるたびに場内が沸き、左ストレートで真正面から大型ヘビー級ファイターと打ち合う姿にファンは一喜一憂したのである。

 チャンプアが初来日したのは、1989年11月29日に東京ドームで開催されたUWFの大会だった。この大会はUWFのプロレスラーが異種格闘技戦を行うという大会で、モーリス・スミスが大ブレイクするきっかけとなった大会でもある。その第2試合あたりでチャンプアはムエタイ代表として安生洋二と対戦した。

 本来ならチャンプアは88年秋にシュートボクシングに初来日して、当時エースだったシーザー武志とSBの世界タイトルマッチを争う予定だったが、怪我のため来日が不可能になったといういきさつがある。これには運命の不思議さを感じる。もしも、チャンプアがこの時に来日して負けていたら、もう日本に呼ばれることがなかったかもしれないからだ。

 詳しい人ならご存知の通り、チャンプアvs安生はガチで行われた(顔面パンチが制限されていた、という説もあるが)。そのため、同大会の中でもかなり異彩を放った試合となり、当時話題になった。結果は引き分けとなり、これによってチャンプアの知名度は一気に上がることになる。

 ただ、当初のチャンプアの評価は決して芳しいものではなかった……

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